気を失ってしまった直江は目を覚ます。
心配する倫子に過去に腰椎を痛めたこと原因であると嘘をつき、一緒に北海道に行くから話したと説明する。
どうすることもできない
直江は北海道に行くために、院長に休暇をとりたいと告げ、病気のことをすでに知っている院長は許可をする。
小橋は、直江先生は現在モルヒネを使用しているため、フノロスを届ける必要はないことを二関に告げ、二人は悲しみに暮れる。
小橋と直江
北海道に行くということを知った小橋は、直江に無茶だと告げる。
そして、残される倫子はどうなる。無力で何もできない自分も悔しいと直江に気持ちをぶつける。
直江は小橋に感謝を告げ、倫子には言わなくてもきっと彼女はわかってくれる。そんな彼女だからこそ愛することが出来た、倫子の笑顔が消えることこそ今の自分にとって一番怖いことだと話す。
倫子の母親と直江
倫子の母親は病院を出た直江と偶然会い喫茶店に行く。
倫子の母親は、二人での旅行を心配するも直江は「倫子さんはしっかりとした人です。看護婦としても女性としても」と言い切り、倫子の母親は直江を信頼する。
支笏湖
支笏湖を訪れる直江と倫子。
「先生…。ここ、先生の部屋の写真の」
「ああ」
「そうなんだ」
「ここは、僕にとって、心がいちばん落ち着く場所なんだ。だから、君といっしょに来たかった」
「また、いっしょに来るなら、春がいいな。そしたら、今度こそいっしょにボート乗りましょ」
「君は明日、東京に帰るんだろ。僕はこっちで、もう少し人と会っていくから」
「はい。じゃ、東京で」
「僕はいつでも君といっしょにいるよ。君のそばにいるから」
直江は倫子を抱きしめる。
直江の死
東京に戻り勤務している倫子に電話がかかってくる。
直江の姉だった。
そして直江が支笏湖で自殺したことを聞かされ、倫子は気を失ってしまう。
ビデオレター
悲しみに暮れた倫子は直江のマンションに向かい、ソファーにある自分宛のビデオレターを見つける。
ビデオレターには、自分が多発性骨髄腫でもう助からないこと、誰も愛さないと決めていたのに倫子に出会い愛することが出来たこと、自分のわがままで最後まで何も言わずに消えていくこと、倫子がいつか愛する人の子供を産んだ時心から祝福することを自らの声で告白していた。
それを見た倫子は号泣し、直江の子供を妊娠していることをつぶやく。
号泣する倫子を見通していたかのように直江は、「泣かないで。倫子の笑顔が大好きだ。愛してる。」と話しビデオレターは終わる。
Ending
「あなたにこのデータを託します」
直江から多発性骨髄腫のデータを受け取った小橋は、大学病院に戻り再び行田病院に戻ることを院長に告げる。
代わりに血液内科を作ることを依頼し、院長も快く承諾し、直江の意思を無駄にしないことをお互い誓う。
職場復帰した倫子に美紀子が話す。
入院しているときに直江に、「死の恐怖から救ってくれる倫子の力は何?」と尋ねた時に「彼女の春みたいな笑顔だ」と直江が答えたことを話す。
川の上でボートにひとり寝ころぶ倫子。
白い影 終
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