謝罪
バスで病院に向かおうとする倫子の前に直江がタクシーで現れ、「乗れよ」と言う。
最初は断った倫子だが、話があると直江に言われて渋々乗車する。
「夕べは悪かった。…忘れてくれ」と伝えらえ、石倉さんのオペをやるからついてくるように言われる。
対立
石倉さんに嘘のオペをすることを聞いた小橋は、納得できないことを直江に訴える。
直江は院長から許可をもらっていること、いくら聞かれても嘘をつきとおすことを断言する。
小橋は騙し続けることや石倉が直江を恨むのではないかと反論する。
直江は、嘘かもしれないが、生きる希望を与えることで、病状がよくなることも考えられる、すべての嘘が不幸とは限らないと反論する。
納得しない小橋
「今からでも遅くない。石倉さんに癌の告知をして、いっしょにたたかうことのほうが、嘘のオペを行うことよりもよっぽど誠実なやり方だと思う」
彼に告知は受け止めきれない。と言い切る直江。
誠意ある対応をするべきと訴える小橋。
「先生は、患者の家族ですか。医者ですか」
「もちろん医者です」
「それじゃ、家族みたいなことを言うのはやめてください」
「僕は医者だが、その前にひとりの人間です。人として、患者をだますようなやり方を認める気にはなれない」
「僕は、ヒューマニズムにおぼれるつもりはありません。何よりも前に、医者ですから。」
あくまで医者として嘘をつき続けると断言する直江。
嘘をつき続ける自信
嘘をつき続ける自信がない倫子は直江に怖いと不安を打ち明ける。
「いずれ石倉さんは、嘘に気づく。でも、君は、嘘をつき通すんだ。
嘘とわかっていても、何も言わないし、誰も恨まない」
「どうしてですか」
「聞くのが怖いからだ。誰かに何かを言われなくても、自分自身のこととして、死を静かに感じて…、
自分から嘘の中に入ってくる」
手術直後
嘘の手術は無事終了する。
倫子は石倉が笑顔になれたことを素直に喜び、直江の言う「すべての嘘が不幸とは限らない」ことの意味を少しわかった気がすると言う。
小橋から大変なのはこれからだと倫子に伝える。
直江のマンションにいる行田三樹子(原沙知絵)
「たいへんだね。先生の奥さんになる人は。
ねえ、今まで付き合った女の人ってさ、そうやってなんにも言わなくても、
あなたの考えてることとか、わかってくれたわけ?
長野の病院にいたときってさ、恋人いなかったの?いないわけないよね。じゃあ、その人は…。
…なに?」
「昔のことは忘れた。これからのことも」
「…ほんとうに、私のこと見てるの? 私のこと見てるふりして、いつも…別のところを見てるのね」
コメントを残す