以下、ドラマ白い影7話のネタバレを含みます。
まだ本作をご覧になっていない方は、ご了承の上お読み下さい。
幸せな朝
「お、おはようございます」
「ん」
直江の家で一夜を過ごした二人。
倫子はタンポポを入れたバケツを抱えながら、一緒に病院に向かう。
しかし、二人で病院に行く姿を美紀子に目撃されてしまう。
嘘の中に入ってきた石倉
倫子は、たんぽぽを抱え、石倉に持っていく。
喜ぶ石倉。
「僕達の嘘に気づいている。
自分の最後が近いことを感じている。
春の話はしても、病状や退院の時期のことは聞いてこなくなった。
嘘の中にいるからだ。
僕達ができるのはこの嘘を突き通し、最後まで手を尽くすことだ。」
エレベーターの中で倫子に伝える。
不信感
二関は、七瀬のカルテを見せてもらったが、看護婦さん誰も覚えていないし、連絡先は嘘だったことを告げる。
「この薬は、どこにいってるのかしら、不思議」と話し
「私にあんまり冷たくすると、薬持ってこなくなるかも知れませんよ、じゃあ」
と捨て台詞を吐いて、立ち去る。
家族への告知
「奥さんには、すべてを話したほうがいいんじゃないですか?」
小橋は直江に問いかける。
「石倉さんは実は癌だったと言えということですか?」
「そうです、ショックは受けるでしょう。
しかし、先生の嘘で一時的にせよ石倉さんは笑顔を見せるまでに元気になった。
きちんと説明するば、奥さんだってわかってくれる。」
「その説明に何の意味があるんですか?」
「なんの意味って…」
「それは医者の重荷を患者の家族におしつけることになるだけです。
人の死を前にして、家族に苦しみを与えることに何の意味があるんですか?」
「このまま真実を知らずに石倉さんに先立たれたら、奥さんがどれだけ悔やみ、悲しむか。
先生にだってわかるでしょ。
奥様は、これからも生きていかなければならないんですよ」
奥さんを悲しませないための嘘
直江は、病院の外でタバコを吸っていたら倫子が仕事を終える。
倫子は石倉が嘘の中に入ってきたのは、もしかすると、奥さんのためではないか。
奥さんがつらい思いをしないように、最後まで幸せでいたいからではないかと直江に伝える。
直江はそうかも知れないと返答する。
レントゲン室
直江はレントゲン室にいた。
そこに突然、美樹子が入って来て驚く直江。
「可哀想な彼女、孤独を紛らわすために抱く女の一人なんでしょ。」
「なんとか言ってよ、あなたそうやっていつも本当のこと言わないのよね。」
直江は、腰を押さえ歪んだ表情を浮かべ、無言で出て行く。
発作に襲われ、駆け込んだ直江は、医局で自らの腕に注射を打つ。
志村倫子と付き合っている。
「志村倫子と付き合っている。」
直江の素行調査の結果をみた院長は婦長に話す。
倫子のことは独身だから構わないとした上で続ける。
そして、「これが気になりますね、フロンティア製薬の二関小夜子と面会時に荷物の受け渡しあり」
石倉の病室
目を覚ました石倉が倫子に目で訴える。
倫子は石倉が愛用しているハーモニカだと思いハーモニカを手渡そうとするが、石倉は倫子を抱きしめ「抱いてくれ」とすがるような言葉を言う。
抱きしめられ、体を触られたことに抵抗を感じた倫子は石倉を突き放し、病室から出ていく。
どうして抱いてやらなかった?
石倉に嫌悪感を感じた倫子はショックで直江に事実を伝える。
「信じられないです、石倉さんがあんなこと…」
すると直江は
「どうして、抱いてあげなかった。
抱いてほしいと言われたら、抱いてあげればいいじゃないか。」
「抱くのは嫌か」
と話す。
驚き悲しみと共に
「看護婦がそこまでやらなきゃいけないんですか?
なんで、なんで先生は大した事じゃないみないに言えるんですか」
「死ぬからだ。
石倉さんは近いうちに死ぬ。
その前に心から女性に抱かれたいと思った。
安らぎを求めたのか、生きる者の本能なのか、そうせずにはいられなかった。
きっと死ぬということはそういうことなんだろう?
どうしても嫌というならば、 それはそれでしょうがない。」
涙
反論された倫子は顔に悲しみを浮かべながらも石倉の病室に戻り、靴を脱ぎ、ベッドの隣に寝て、石倉を抱きしめる。
倫子は直江のいる医局に戻る。
「石倉さん、すごくあったかかったです…」
涙を流しながら、直江の元に駆け寄り、抱きしめる。
直江も優しい表情で、倫子の涙を手でぬぐう。
嘘をありがとうございました。
石倉が胃がんで死亡する。
死亡診断書を見た石倉の妻のミツ。
そこには胃癌と記されていた。
「私達のこと騙してたんですか!」
直江や小橋に怒りを表現するも、倫子が石倉の遺書を病室で見つける。
そこには籍を入れていなかった妻のミツへの結婚届と一緒に生きられて幸せだったこと、倫子、小橋への感謝の言葉と、直江に「嘘をありがとうございました」との感謝が書いてあった。
「知ってたんですね、あの人ね」
ミツは納得し、去り際に石倉の大好きなハーモニカを直江に渡し、頭を下げて去って行く。
死の形
石倉のいなくなった病室で、倫子と話す直江。
「石倉さん、納得して旅立てたんですよね。」
「僕たちが整えたのは、あくまで形だ。
死ぬのが怖くない人間なんて居ない。
石倉さんの強さが、すべてだった。」
「はい。」
倫子は病室の外にあるたんぽぽを取り、わたげに息を吹きかけて飛ばす。
振り返ると直江の姿はそこに無く、石倉からもらったハーモニカが置いてあった。
目撃
直江は、発作に襲われていた。
注射を打つため自分の机に戻り、注射器とフロノスを手に入れる。
しかし、医者の神崎がいたので、ここでは打てない。
打つ場所を求め屋上に行き、うめきながら、注射を打つ。
注射を打ち、我に帰った直江の目の前には、美紀子がいた。
直江を追ってきたのだった。
7話終わり。
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